リアル
アタシ達は夏子の部屋へと上がった。


始めて入る夏子の部屋。


夏子の見た目とは裏腹に落ち着いたシンプルな部屋だ。


暫く沈黙が続いた。

それに耐えられなかったんだろうさえが口を開いた。


「夏子、何かあったの?うちら心配してたんだよ?」


...


「何とか言えよっ!」


遥がキレる。


茜が大きな目を見開きながら夏子を見つめる。


アタシは黙っていた。


「赤ちゃん、出来たみたい...」


夏子が口を開いた。

「はぁ?!アンタ避妊してなかったの?!!」


遥が怒鳴った。


「...したりしなかったり...」


「何その無責任な言葉!!」


遥は今にも夏子を殴りそうだ。


茜が遥の腕をつかんだ。


「それで、夏子どうしたいの?産むつもり?」


アタシは冷静に聞いた。


「うん...勇士との赤ちゃんおろしたくない...」


アタシ達はまだ十六歳だ。


大人ぶっていてもまだ子供。


夏子の目から涙が流れている。


さえと茜も泣きそうな顔をしている。


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