リアル
車を少し走った処のホテルに入った。

車を駐車場に停めると、受付カウンターまで歩いた。

その間お互いに無言だが、体と体は未着していた。


部屋に入ると、アタシはダブルベットの横にあるソファに座った。


「何か飲む?」


村上が冷蔵庫を開けながら聞いた。


「ビールで。」


ソファにもたれながら、そう言うと缶ビールのフタを開けて渡してくれた。


「・・・改めて乾杯。」


アタシの横に座り、缶ビールを合わせた。


これといった会話はない。


ただ、体だけをくっつけ、ゆっくりと酒を飲んでいる。


・・・


「・・・まなちゃん・・・」


そう言うと、村上はアタシの首元を手先で撫でた。


目と目が合う。


それと同時に・・・


「おいで・・・」


素敵な声でそう言うと、ベットへと誘った。


アタシは急に怖くなった。


何故だろう・・・。


自分から誘ったのに・・・


少し困惑していると、


その空気に気ずいたのか、



「・・・今日はもう寝ようか?」


村上が口の先を軽く上げながらそう言った。


「俺はソファで寝るから、まなちゃんはベットで休みな。」


淡々とした口調で言った。








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