リアル
村上が背を向け、ソファに腰掛けた。


そして、目の前のテーブルに置いてある缶ビールに口をつけた。

・・・


一瞬村上の顔が変わった。


・・・


「・・・まなちゃん・・・?」


アタシは着ている服を脱いだ。


「村上さん・・・抱いて・・・」


下着も全て取り、全裸で村上の前に立った。


「まなちゃん、無理しなくていいよ。」


口の先を上げながら言った。


「俺も酒の勢いでこんな処まで連れて来ちゃったけど・・・。」


フゥっと小さなため息を吐いた。


・・・

「・・・お酒の勢いと言えば、そうかもしれない。アタシも一瞬考えました。けれど、やっぱり・・・」


そう言って、ソファに座る村上の膝の上に座った。


そして、首に両手を回し軽く唇をつけた・・・。


「・・・本当に、今日は知らないからね・・・。」



アタシは静かに頷いた・・・。




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