リアル

ガチャ・・・


家のアパートのドアを開ける。


「うぜェ!!」


そう怒鳴ると、持っていたバックを床に投げつけた。


今まで誰からも説教なんてされたことがない。


アタシに文句言うな!


指図するな!


「あぁもう!!」


冷蔵庫から缶ビールを取り出しフタを開けた。


ゴクゴク・・・っと喉を鳴らせながら勢いよく飲んだ。


そして、飲みきった缶を壁に向かって投げつけた。


コンっと優しい音しか響かない・・・。


その音が何故かアタシを苛立たせる。


だから・・・


だから、アタシは目の前にあった、小さなガラス細工の灰皿をもう一度壁に向かって投げつけた。


・・・・


気もちのいい音が耳に響く・・・


閉まっておいた、アレでも吸おうかな・・・。






< 164 / 210 >

この作品をシェア

pagetop