リアル
冷たい茜の声が耳に響いく。


「・・・確かにそうだね。ウチラ他人同士だし。」


そうひとこと言うと缶ビールに口をつけた。


鼻から大きく息が漏れる・・・。


茜はそれ以上なにも言わず、寝室へと向かった。


正直、茜が帰ってきて嬉しい気持ちもある。


けれど、それ以上にアタシに一言も無く、何処かへ行ってしまった茜に対して、苛立っていた。


「・・・茜の馬鹿・・・。」


凄く凄く、心配したのに・・・。


本当は帰って来てくれて嬉しかったのに・・・。


少しの涙が流れた・・・。

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