リアル
車で少し走った所にある小さなバーに入った。


「テーブル席と、カウンターとどっちがいい?」


直ぐさまアタシは、


「カウンターで。」


っと答えた。


席に着くと、スムーズにアタシのいつも飲む酒をオーダーしてくれた。


「ビールでよかったよね?」


「アタシに聞く前に頼んでおいて聞かないで下さい。」


「ごめんね。いつも麻波ちゃんはビールだから。」



会話が途切れると同時に、お酒がテーブルに置かれた。


「乾杯」


杉田純一がアタシのグラスに合わせてきた。

アタシはそれに合わせ、一口グラスに口を付ける。


「麻波ちゃん、俺と話しがしたいって言っていたけど、何かあったの?」


そうアタシに聞いたが、この男はアタシが何が言いたいか、分かっているはずだ。


「アタシが何が言いたいか分かっていますよね?」


逆に言い返した。


「...さぁ?まったく分からないな。」


頭のネジが一つ飛んだ瞬間だ。




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