リアル
「馬鹿にするのもいぃ加減にして下さい!」


そう言うと、強く、持っていたグラスをテーブルに置いた。


「ごめんね。茜ちゃんの事かな?」


それでも、表情を変えずに淡々とした口調で言った。


「最初から分かっていたじゃないですか?!」


「で、俺に何が言いたいの?」


さっきまで上がっていた口元を下げながら言ってきた。


「...茜はオーナーに惚れています。オーナーは茜の事をどう思っているんですか?」


「どうって...可愛い従業員だと思っているよ。」


「それだけですか?」


「それ以外に何があるの?」


「何って...。だって茜はオーナーの事が...!」


「麻波ちゃん、俺は茜ちゃんの事を抱いた事もなければ、キスをした事もないんだよ。」


ふぅっと小さなタメ息をはきながら言った。


「けれど茜の気持ちは?!」


「麻波ちゃんって思っていたよりガキなんだね。」 


クスっと笑われた。


アタシはもう一つ頭のネジが飛んだ。

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