リアル
何も言えずにいるアタシを無視して、杉田純一は話しを進めた。


「そんな俺のただ一人の母を汚らわしいと思った事もあった。けれど、それ以上に愛しているとゆう感情のほうが強かったんだ。」


アルコールのせいだろうか...


心なしか杉田純一の感情が乱れている気がする。


「...今、オーナーのお母さんは何してるんですか?」


「もう亡くなったよ。」


「えっ...?」


「とにかく異性関係の尽きない人でね。最期は男に刺されておしまい...。」

どんな言葉を返していいのか分からない。


ただひたすらに目を合わせないでいた。

「麻波ちゃん、そんなに深刻な顔しないで。もう少し俺の話しに付き合ってよ。」


ハスキーな声が耳に響く...。


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