リアル
村上との行為は快感というより、下半身の痛みだけが残った。


ズキズキと下腹部が痛む...。


「何か飲む?」


「...さっきの飲みかけのビールがまだ残っているんで...。」


「もう、温くなっちゃってるから新しいの飲もうよ。」


そう言うと村上は、素早く冷蔵庫から缶ビールを取り出した。


「このままベットで飲もう。」


村上はアタシの隣に座ると、シーツの中に下半身だけを入れた。


「何か無理矢理付き合わせちゃってごめんね。」


「全然っ!むしろ一緒に過ごせて嬉しいです。」


「...ならよかった。」


カチッカチッ...


ライターの音が広い部屋の中に響く。


この空間はアタシと村上だけの空間だと思うと、アタシは嬉しい気持ちになった。


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