リアル
凄く寒い日だった。

遥は集団室、アタシは個室だ。


今までの留置所では遥が一緒だったけど今は一人ぼっち...。


急に寂しくなった。

寒いせいもあるのか、カタカタと体が震えだした。


四畳の部屋。


広く感じる。


小さな机と、カーテンで仕切られているだけのトイレと洗面台。


あの十日間一回も泣かなかったのに、何故か今になって涙がでてきた。


それでも自分が何故こんな所にいるのか理解できなかった。

「アタシそんなに悪い事してないじゃんッ」


...



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