リアル
第2章 恋
昼休み。


茜、夏子、さえ、遥、そしてアタシのいつもの五人は体育館の裏にいた。


そこはめったに人が来ない場所だ。


誰からとでもなく決まった様にこの場所に来て煙草を吸う。

「やっぱ煙草うまぁい~」


豪快に煙をはきながら遥が言った。


「遥はさぁいつも美味しそうに煙草吸うよね~♪」
と、さえ。


「さえがチビチビと吸いすぎなんだよ!」
と、遥。


こんないつものくだらない会話をしながら煙草を吸い昼食をとるのがアタシ達のお決まり。


夏子はいつも手作り弁当。


毎日彼氏に作るから一つ作るのも二つ作るのも同じらしい。

夏子らしいな。


見た目1番チャラいくせにね。


さえの昼食はいつもお菓子。


見た目甘系のさえらしい。


ダイエットしてるわりには痩せないのはそのお菓子のせいだよっていつか教えてあげないとね。


遥は購買で買ったアンパンを一つだけ。

相変わらずの少食。

アタシ達の中で1番細いしね。


そしてアタシと茜はマック。


授業抜け出して買いに行ってきたんだ。

それぞれのペースで食べ終わるとやっぱり食後の一服。


青空にユラユラと煙草の先から上っていく五つの煙りが何故か綺麗だと感じた。

沈黙の中「何か楽しい事ないかな~?最近またつまらない...」
と、アタシが言うとさえが煙りをはきながら言った。


「楽しいこと教えてあげるよ~♪麻波にとってワクワクする事。」
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