リアル
帰り道。


アタシと遥は沈黙していた...。


茜とさえは黙っていて何も言ってくれなかった。


「多分、茜とさえはうちらと一緒にされたくなかったんだよ。この先あの学校という輪の中でやっていくにはそれが一番だったのかも...。」


遥が言った。


アタシは黙って聞いていた。


何故か涙が出てきた...


アタシ滅多に泣かないのに...


遥といつもの公衆トイレへ行った。


二人だけの一服。


よけいに寂しさを感じる。


「ねぇ、麻波、あの事件の事後悔してる?」


「してない。」


アタシははっきりと遥に言った。


「あたしもしてないよ。」


遥もはっきりと言った。


....


< 52 / 210 >

この作品をシェア

pagetop