リアル
チャリンッといい音色がしてドアが開いた。


アタシは煙草を吸いながら携帯をいじっている。


「今日も一人?」


少しハスキーのかかった声...


アタシはゆっくりと顔を上げた。


あの男だっ!!


アタシは慌てて煙草の火を消した。


「相席してもいいかな?」


「どうぞっ!」


多分今アタシ声裏返ったな...。


そぅ思うと顔が赤くなった。


「この前は付き合ってくれてありがとうね。おかげで寂しい部屋じゃなくなったよ。」


「いぇっ。こちらこそッ。スーツ...すみませんでした。」


「気にする事ないよ。かえって俺のほうが特しちゃったし。」


男の顔は見れば見るほど素敵だと思う。

きっと沢山の女性がいるんだろうな。


「髪、長いね。自分の毛?」


ハスキーな声で男が言った。


「いぇ...エクステです。」


「そぅなんだ。最近の美容技術は凄いな。」


「でも、似合うね。サラサラのストレート。」


男がニコっと笑いながら言った。


きっと、その辺のジジィが言ったらぶっ飛ばすんだろうな。

キモイんだよッって言って。


「あっ猫ちゃん元気ですか?」


「おかげさまで。でもまだ名前が決まらないんだ。君、名前つけてくれる?」


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