リアル
ある日曜日。


茜はパタッパタッと二階から居間への階段を下りた。


ガラガラっと戸を開けるとすぐ居間だ。

戸を開けると茜の母親が調度、湯飲みにお茶を注ぐ所だった。


「お母さん、お父さん、ちょっと話しがあるんだけど...」


いつにもなく真剣な顔で茜が言った。


父親は入れたばかりのお茶をズズズっと飲んだ。


「なぁに、そんな真剣な顔をして。」


母親が言った。


....


「アタシ、学校を辞めようと思うんだけど...。」


....


父親のお茶をすする音。


それと同時に時計の十五時を指す鐘の音が静かに響いた。


「茜ちゃん、急に何言っているの?」


優しく言う茜の母親。


父親は今だ沈黙だ。


「アタシ、今やりたい事見つけたの。」

「やりたい事って?」


茜は黙った...


始めて父親が口を開いた。


「勝手にしろっ!!そのかわり二度と帰ってくるんじゃないからなっ!!」


「お父さん!!そんな言い方!!」


茜の母親は怒っていても優しい口調だった。


茜は両親と目も合わせなかった。




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