リアル
メイク完了。


巻き完璧。


服装の乱れなし。


午後19時ジャスト。

アタシと茜は家をでた。


出勤まであと1時間ある。


「まだ時間もあるしお茶でも飲んでから出勤しようよ。


「ぅん。」


アタシと茜は店からさほど遠くない居酒屋に入った。


そこにはまだ19時だといぅのに仕事帰りのサラリーマンとかで賑わっていた。


「お茶って言うから喫茶店とかに行くのかと思ったじゃん。」


茜がケラケラ笑いながら言った。


「だって、時間も時間だし他に思いつかなかったんだもん。」


アタシ達は二人掛けのテーブル席に座った。


「とりあえず、生、行っとこうかぁ。」

茜が言う。


「ですねぇ~♪」


ほぼ昨日の延長状態だ。


「乾杯。」


ジョッキを合わせる。


ツマミに冷や奴とほうれん草のサラダを頼んだ。


「相変わらずヘルシー思考だよね麻波って。」


「だって昨日高カロリーのツマミ食べすぎちゃったじゃん。」


眉間にシワを寄せながら言った。


「だぁから、麻波はオッパイ大きくなららないんだよ~♪」

「いぃのッ小さいほうが感度いぃって言うしッ。」


アタシと茜はそんなくだらない会話を楽しんだ。


まだビールも半分も残っている時、


「あの、二人で飲んでるんですよね?」

知らない男に声をかけられた。


背の高い今風のオシャレな男だった。


「そんなの見れば分かるでしょ。」


アタシが横目で言った。


「もし、よければ俺ら三人なんだけど一緒に飲まないかなって思って?」


アタシと茜は目を合わせた。


「ごめんなさい、あたし達今日は二人で飲みたい気分なの。また、ここで会えた時、その時は一緒に飲んでくださいね。」


足を組みかえながら茜が言った。


男は一瞬、茜のその仕草に目をやった。

「あっはいっ!その時はぜひ!」


男はタジタジしながらそう言うとこの場を離れた。


アタシと茜はまた目を合わせながらケラケラと笑った。


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