巡り行く季節の中心から【連載中】
小耳に挟んだ話によれば芳賀さんが私と仲良くしたいのには汚い下心があり、どうやら先日のホームルームで推薦を受けたのち反対意見の「は」の字も見受けられない円滑な形で、学級委員長に任命された進藤くんを支援するためらしい。
クラス内で孤立している生徒がいると、非難されるのは委員長だからだそうだ。

芳賀さんは進藤くんに想いを寄せているとの噂もある。
結局のところ、自分の都合に合わせて仕方なく動いているってこと。


「……進藤くんのためなんでしょ」
「う」


問えば若干怯む仕草を見せる芳賀さん。
ほら、図星じゃない。なんてズルい人なんだ。
バツが悪そうな顔をしていた芳賀さんは、少し口を尖らせながら続ける。
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