穂先輩が甘々すぎる。



ふわりと微笑んだ穂先輩は、私の頭から手を離すと、踵を返して手を振りながら校舎の中へと歩いていった。


穂…先輩。


あんなふうに褒めてもらったの、初めてですごく戸惑った。


それに名前負けなんてしてないって言ってくれて。


出会ったばかりで何を根拠にそう言っているのだろうって思ったけど…素直に嬉しかった。


それに、すぐどもっちゃって他人とお話するのが苦手な私なのに…。


あの人は、かなり話しやすかった。


霜月 穂先輩…かっこよくて接しやすくて、なんだか不思議な人だった。


印象に残って、忘れられなさそうだ。


それにしても、よろしくお願いしますなんて言っちゃったけど。


先輩だし、これから関わることって、あるのかな。


…でも、校内に知ってる人ができたっていうのは、心強いかもしれない。


穂先輩との出会いがきっかけで、私の高校生活が大きく変わることになる。


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