穂先輩が甘々すぎる。
よろしくな、ほたる
桜が散り、若葉が美しい季節。
心地よい風が吹き抜け、過ごしやすい気候である今日この頃。
高校生になって、早くも約1ヶ月が過ぎた。
私は今日も、通学のために電車に乗っている。
私の通う高校は、自宅の最寄駅から電車に乗って30分かかる、少し遠い場所にある。
いつも私は、一番端っこの車両の中のそのまた端っこに身をおさめ、趣味の読書を楽しんでいる。
だけど今日は…なんだかいつもより車内が混んでて。
他の路線で、線路内の点検を行うことになって電車が止まってしまったみたいだから。
その路線を使っていた人が、流れ込んできているんだろうな。
車内はすし詰め状態で、読書はおろか私の特等席の端っこに身をおさめることすらできなかった。
満員電車って、息苦しい。
早く…降りたいな。
スーツを着た人や他の学生さんの中に埋もれちゃっている私は、俯いたまま車内のアナウンスに耳を傾けた。