穂先輩が甘々すぎる。
穂先輩に追いついて、歩きながら先輩を見上げた。
もうこの時、私は周りの視線は気にしていなかった。
「あの…どうして、謝るんですか?」
気づかれていたとはいえ、嘘をついた私が墓穴を掘ったようなもので。
本当のことだし、先輩が謝る理由なんてないよ。
「…ほたる、悲しそうだから。寂しいって顔してる。」
歩きながら、私の顔を覗き込んでくる穂先輩。
穂先輩の言葉に、私はドキリと心臓が揺れた。
それは、穂先輩の言ったことが当たっていたから…だと思う。
なんで…穂先輩は私のことが…。
スクバの持ち手をぎゅっと握りしめると、手から汗が滲んで出てきた。
無意識に少し震える唇を、ゆっくりと動かす。
「わ、たし…今のクラスに馴染めてないどころか、今まで友達…できたことないんです…。」