穂先輩が甘々すぎる。



ぎゅっと、唇を噛み締めた。


…小学生の頃から、ずっと。


学校でみんなが楽しそうに話している中、ぽつりと教室の隅っこでひとりきりで過ごしてきた。


休み時間や移動教室や体育祭や遠足や修学旅行でも。


いつもひとりぼっちで、誰かとの思い出なんてなにもない。


ひとりぼっちなのは自分のせいなのに、いつもいつも肩身が狭い思いをしていた。


それに、慣れていると思ってた。


…だけど本当はすごくすごく嫌で、悲しくて辛かったんだ。


なんだろう、なぜか穂先輩には…自分のことを色々と話せそうな気がする。


けど、私のこんな話をしても…まったく面白くないよね。


私は、見た目通りこんなに暗い人間なんだって、穂先輩もそう思って、もしかしたら引いているかもしれない。


笑われるかもしれない。


私と…関わりたくなんてないかもしれない。


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