穂先輩が甘々すぎる。

マイナスなことばかりが、頭に浮かぶ。



「…先輩の言う通り…私、本当は寂しいです…っ」



ずばりと言い当てた穂先輩に、私は素直に肯定した。


きっと穂先輩から返ってくる言葉は…いいものじゃ…ないと思う。


仕方ない…と思うけど。


歩きながら俯いていると、ぽふっと頭に穂先輩の手のひらが乗っかった。


そのままぽんぽんと、頭を優しく叩かれる。



「…ほたる。辛かったな。」


「………っ」



穂先輩の穏やかな低い声が、予想外の優しい言葉が、私の涙腺を緩めた。


けど、人前で泣きたくないから必死で歯を食いしばって我慢をする。


…なんで、どうして…穂先輩は、私にそんなふうに優しくしてくれるの？


私たち…まだ、今日知り合ったばかりなのに。


溜まった涙が引っ込んだ頃、俯いていた頭を上げ穂先輩を見つめた。


大きくて綺麗な瞳に吸い込まれちゃいそうだけど。