穂先輩が甘々すぎる。

私が首を傾げると、穂先輩は頷いた後、自分の口の両端を指でぐっと持ち上げてフッと目を細めて笑った。


…普段はかっこいい穂先輩のその動作が、思わずかわいく見えちゃって。


また私は、ドキドキと胸が鳴る。



「友達を作るのって、難しいと思うかもしれないけどさ。挨拶したり笑顔で接していれば、意外とすぐに仲良くできるもんだぜ。」


「そ、そうなんですか…？」


「それに笑うことって結構大事だと思うんだ。笑っていれば大抵のことはなんとかなる！とか言うじゃん？」


「なんとか…。」


「だから、頑張ってみ。少しずつでいいからさ、今の自分から変わろうぜ。」



今の自分から…変わる…。


まっすぐ私を見て背中を押してくれる穂先輩に、私は引き寄せられるように半ば無意識にコクリと頷いた。


穂先輩の言葉は、確実に私の心を突き動かした。