穂先輩が甘々すぎる。
穂先輩はやっぱり有名人みたいで、すれ違う人みんなの注目の的だ。
特に…女子生徒から。
そして、隣にいる私ももれなく皆さんの視界に入ってしまうわけで。
「ねえ。霜月くんと一緒に歩いてる子、誰?」
「なんで、霜月くんが女の子と一緒に登校してるの?!」
「やだーっ!霜月くん…!」
私を見て、指を差しながら怪訝そうな表情をする女子生徒を横目に、肩をすぼめて縮こまった。
すると上から、冷静な低い声が降りてくる。
「ほたる、気にしなくていいから。勝手に言わせとけ。」
「えっと…は、はい…。」
穂先輩はあんな風に騒ぐ女の子たちを、あまり…というかまったく相手にしていないようで。
全然気にしていない素振りを見せているけど。
気にしなくていい…なんて、私には少しというか、かなり難しい…!