穂先輩が甘々すぎる。
学年ごとに下駄箱が別々なので、穂先輩とそこで一旦別れたところで、やっとみんなの注目の的から外れ少し控えめに安堵する。
上履きを履いて、私たちの下駄箱の中間地点で先輩が待っててくれているけど、1年生と2年生は校舎が違うからここでお別れだ。
今日は、昨日穂先輩にアドバイスしてもらったように。
教室に入ったらクラスメイトに挨拶をする。
どうしよう。
すごくすごく、緊張してきた。
うまく挨拶できるかな…。
「ほたる、頑張れよ。」
そう考えている私を察してか、穂先輩は少し口角を上げて私の肩をぽんと叩いた。
「せ、先輩…。」
私が見上げると、先輩は私の肩に置いていた手を頭へと移動させて、くしゃりと撫でた。
あったかい…。
どうしてか、ものすごく落ち着く。
それに穂先輩に背中を押してもらって…心強かった。