穂先輩が甘々すぎる。
ふたりが私に対してそんなふうに思ってくれていただなんて…信じられないけど、なんとも言えない嬉しさが込み上げてきた。
「ほんとだよっ!ねえ、ほたるって呼んでもいい?」
「あたしもいいかな?」
「ぜ、ぜひ…!」
「うちのことは円華でいいから!よろしくね、ほたるっ!」
「あたしのことは小夏って呼んで。ほたる、よろしくね。」
「円華ちゃん…小夏ちゃん、よろしくね…!」
私は思わず涙ぐんじゃったけど、不器用な笑顔でそれを引っ込めた。
穂先輩が褒めてくれた名前を呼ばれることにも、嬉しく感じてる。
顔を上げてできるだけ笑顔で話していると、相手の表情はすごく優しくて。
自分が気持ちのいい態度で接していれば、相手も応えてくれているような…そんな気がした。
なんで、今まであんなに怖がっていたんだろう…。
怖がることなんて、なにもなかったよ。
気づけたのは、穂先輩のおかげ。