穂先輩が甘々すぎる。



「…おい。」



すると、穂先輩から今までに聞こえたことのないような凄みのある低い声が頭上から聞こえた。


思わず、身震いして俯いていた顔をばっと上げると。


穂先輩は、3人の女の人たちを睨みつけていた。


きっとあの人たちが…今、私に向かって発言をした人たちだ。


その人達は上履きの色が3年生だから、穂先輩よりも上級生だ。


上級生に向けておい、なんて…言って大丈夫なのかな…!?


私は、サーッと顔が青ざめた。


そして3年生の先輩たちも、穂先輩の圧力にたじろいで顔が青ざめていた。



「し、霜月くん…。」



穂先輩は、慌てている3年生を睨みつけたまま、私のことを庇うように右手をスッと出した。



「…ほたるのこと、二度と悪く言うな。俺、許さねぇからな。」


「………っ」



穂先輩のものすごい気迫に、3年生はびくりと肩を揺らした。


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