穂先輩が甘々すぎる。
私もお財布を持って席を立ち、ふたりと共に食堂へ向かう。
食堂はかなり多くの生徒で溢れていて、私はぐるぐると目が回った。
わあ…こんなに混んでるんだなぁ。
けど、学食が美味しいって有名なことやこの食堂の広さからして、混雑してることに違和感はない。
ふたりも食堂に来たのは初めてみたいで、小夏ちゃんが券売機を指して私たちに並ぼう、と促した。
食堂の入り口近くの券売機の最後尾に3人で並ぼうとしたところ、ちょうど入り口から男子生徒のグループが入ってきた。
あ…あのグループの中心にいるあの人は…。
「ほた、霜月先輩じゃんっ!」
「ほんとだ。」
私だけじゃなくて、円華ちゃんも前からやってくる穂先輩に気づいたようで私の肩をぺしぺしと叩く。
小夏ちゃんは円華ちゃんの言葉で穂先輩に気づいたようで、遠目で先輩の方を見つめた。
「わっ、円華ちゃん…!」