穂先輩が甘々すぎる。



隣にいる小夏ちゃんと、肩同士がこつんと触れた。


小夏ちゃんに一度視線を移すと、口元に手を当てて穂先輩を見上げている。


どこか、穂先輩に向いている小夏ちゃんと円華ちゃんの目がキラキラしているように見えるのは、気のせい…かな?



「お友達にほたって呼ばれてんの?」


「は、はいっ」



爽やかな表情のまま首を傾げて尋ねてきた穂先輩に、私はこくりと頷いた。


そしたら。



「ほたって呼び方かわいい。」


「………っ」



ふたりが目の前にいるというのに。


またそんなふうに私が恥ずかしくなっちゃうようなことを言って、私の頭を撫でる先輩は人目を気にしていないのかな。


ふたりはうっとりした表情でぽかんと口を開けて穂先輩を見上げている。



「かっこよ…。」


「わあ…。」



円華ちゃんはおっきな瞳がこぼれちゃいそうなくらい目を見開いていて、小夏ちゃんは口元に手を当てたまま。


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