穂先輩が甘々すぎる。
私はいつも、名前順通りの1番前の端っこの席で、趣味の読書に没頭している。
通学中と同じだ。
友達がいなくて、ひとりぼっちなのは…慣れているけれど…。
キーーンコーーーンカーーンコーーン…
4時間目終了のチャイムと共に、教室内がわっとざわつく。
私はそれをまるでBGMのように聞き流しながら、使っていた教材を机の中にしまい込んだ。
お昼休み…か。
お腹は空いたけど、このにぎやかな教室にはいづらいので、ここではお弁当を食べたくない。
どこか、静かな場所に移動しようっと。
スマホをスカートのポケットに突っ込みランチバッグを提げて、校内を歩きながら人気のない場所を探す。
あ…ここ、誰もいないからいいかもしれない。
たどり着いたのは、校舎の陰に隠れた小さな裏庭。
校舎に隠れているから、昼間だけど少し薄暗くて肌寒い。
でも、ちょうどいいや。