穂先輩が甘々すぎる。
ふたりとも、顔を赤くしているのがわかる。
私は…穂先輩が作り出す甘い雰囲気に、恥ずかしさの限界がやってきて。
「せ、先輩…っ!」
ちょっと控えめだけど、抗議するように先輩と呼んでワイシャツをつまんで引っ張った。
「ああ、ごめんごめん、つい。」
すると、私の頭に触れていた手が降りて。
穂先輩は謝罪の言葉を口にしたけど、特に悪いとは思ってなさそう。
ただ私が恥ずかしいだけだから、全然…いいんだけどね…。
穂先輩に撫でられたからといって特に乱れているわけでもないのに、自分の髪を手櫛でほぐした。
恥ずかしいのを悟られたくなくて、はぐらかすつもりだったんだけど…。
多分、そんなんじゃはぐらかせてないような気がする。
すると、私の両隣にいる円華ちゃんと小夏ちゃんに向かって、クールに目を細めて微笑んだ穂先輩。
私に向ける笑顔とは…どこかまた別のものに見える。