穂先輩が甘々すぎる。



そっか、この威圧感のある体格はスポーツするのに恵まれているだろうなぁ。


爽やかなツーブロックの髪型やまくられたワイシャツの袖から見えるかたそうな腕も、スポーツマンを物語っている。



「穂〜、奏(かなで)も環(たまき)も優馬(ゆうま)も席ついちゃったぜ。」


「ああ、まじか。そろそろ行かねぇとな。」



今董哉さんが名前を上げた人たちは、さっき穂先輩のまわりにいた友人の方々かな。


「俺たちも早く買いに行こうぜ。」と続けてそう言った董哉さんに、穂先輩はこくりと頷いた。


私のせいで穂先輩たちの時間を奪っちゃったような気がして、もう一度頭を下げた。



「わ、なんだかすみません…!」


「え。ほたるちゃんが謝ることなんてないよ〜。穂、ほたるちゃんのこと相当気に入ってるから。」


「…おい、董哉。」


「え…っ!」



穂先輩は心なしか頬を赤くさせて、董哉さんに鋭い視線を向けている。


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