穂先輩が甘々すぎる。
私が頭の中に浮かべたオムライスで、想像を膨らませていたところ。
「食べたーいっ!まだあるかな?」
「ふふ。見にいこうよ!」
はしゃぐ円華ちゃんに、小夏ちゃんが微笑んだ。
穂先輩も、足先を動かして私たちに背を向ける。
「ごめんな、邪魔して。」
「い、いえ!」
「とんでもないです!」
申し訳なさそうに軽く眉を下げながら微笑んだ穂先輩に、円華ちゃんと小夏ちゃんは再び顔を赤く染めた。
穂先輩が少し話すだけで、女の子はみんな虜になっちゃうんだなぁって、改めて認識した。
「じゃあ、またなほたる。」
「は、はい!」
背を向けながら、軽く手を挙げる穂先輩に、私は首を縦に振った。
穂先輩は見てないんだけどね。
「あ、そうだ。」
すると、私たちに背を向けたと思ったら、何か思い出したように再びこちらを振り返った穂先輩。