穂先輩が甘々すぎる。



「ほたる。今日の放課後、あけといて。」


「?」



放課後…?


あけといてって、今日も一緒に帰ろうってことかな?


けど最近はもう、特になにも言わずとも穂先輩が放課後になると私の教室まで迎えに来てくれることが日常化していた。


だから、わざわざそんなふうに言う穂先輩が不思議だった。



「連れてきたいところがある。じゃ。」


「あっ…」



そういって穂先輩は、私の返事を待たず券売機の列に並んでいる董哉さんの方へと歩き出していってしまった。


連れて行きたいところ?


…えっと、お出かけしようってこと?


放課後…は、特に用事がないからあいているけど。


それにしてもあけといて、なんて、なんだか強制的というか、強引というか、有無を言わさないというか…。


一体、なにをするんだろう?


私が首を傾げていると、円華ちゃんがわぁっと声を上げた。


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