穂先輩が甘々すぎる。



「ほたるは出さなくていいよ。」


「えっと、でも私ケーキもいただいてるので…!」



私の方がお金を使っているわけだし、奢ってもらうのは申し訳ないよ…!


わたわたと慌ててスクバからお財布を取り出したんだけど、穂先輩は私を見て首を横に振った。



「今日は俺が誘ったんだし、いらないよ。財布しまって。」


「…ごちそうさまです。」



穂先輩にそういわれて、これ以上断るのは逆に失礼かもと思って、素直にお財布をしまってお礼を述べる。


すると、穂先輩は私に柔らかく微笑んでくれた。



「うん。じゃあいこ…」



穂先輩に促されて、私たちが席を立ってレジへ向かおうとすると。



「あっ穂、いた!もーすぐINの時間だろーっ!」



キッチンの方から、長身の女の人…が穂先輩を指さしながら、人懐こい笑みを浮かべてこちらへ歩み寄ってきた。


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