穂先輩が甘々すぎる。
「げっ」
穂先輩は席から立ち上がりながら、その人に視線を移して顔を顰めたあと小さくため息をついた。
「うるせーな。わかってるよ。客席で騒ぐな。」
「あっごめーんっ!今ほかにお客さんいないから、つい。」
穂先輩のもとまで来た彼女は、明るい声であははと笑いながら穂先輩の肩を叩いた。
えっと…同じバイト先の人…か。
長身で、ベリーショートのボーイッシュな雰囲気を纏うその彼女。
とっても顔が綺麗で、モデルさんみたい…。
穂先輩がレジカウンターへ向かうのと一緒に、その彼女も穂先輩についていく。
穂先輩より少しだけ背の低いその人は、穂先輩の肩を掴んで楽しそうに話してる。
対する穂先輩も、最初こそため息をついていたけれど、普通に会話をしながら笑っている。
…ああなんだ、普通に仲良しなのかな。