穂先輩が甘々すぎる。



「げっ」



穂先輩は席から立ち上がりながら、その人に視線を移して顔を顰めたあと小さくため息をついた。



「うるせーな。わかってるよ。客席で騒ぐな。」


「あっごめーんっ!今ほかにお客さんいないから、つい。」



穂先輩のもとまで来た彼女は、明るい声であははと笑いながら穂先輩の肩を叩いた。


えっと…同じバイト先の人…か。


長身で、ベリーショートのボーイッシュな雰囲気を纏うその彼女。


とっても顔が綺麗で、モデルさんみたい…。


穂先輩がレジカウンターへ向かうのと一緒に、その彼女も穂先輩についていく。


穂先輩より少しだけ背の低いその人は、穂先輩の肩を掴んで楽しそうに話してる。


対する穂先輩も、最初こそため息をついていたけれど、普通に会話をしながら笑っている。


…ああなんだ、普通に仲良しなのかな。


< 96 / 136 >

この作品をシェア

pagetop