腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
こんな風に感情的に怒られることはなくて、私は肩がすくんだ。
私は目線を下に向けて、自分の足先を見る。
「ごめっ……ごめんなさい」
「こっちこそ怒ってごめん。あげは? あやまらないでいいから。ちゃんと理由教えて」
「理由なんてない」
私は目線をそらせたまま言った。
今、目を見ると、なんでもまた答えてしまう。
「うそ。こっち向きなさい、あげは」
「イヤ!」
次の瞬間、腕を取られる。
つい、先生の顔を見ると、先生は真剣な顔でこっちを見ていた。