腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
私は結局その日、時間に少し遅れて、ホテルに向かった。
フロントで須藤先生の名前を告げると、ルームキーを渡される。
部屋に荷物を置きに入ると、プールにいます、と書き置きがあった。
結局あの男はいつだって余裕だ。
私が来ることも見透かしたようにこうしているんだ。
なんだか腹が立つけど……でも……。
私はぎゅうっと唇を噛む。
プールに向かうと、人がいる中、すぐに須藤先生に気づいた。
何でこれだけの人の中で、すぐに見つけられるんだろう。
やっぱり私は須藤先生のことが相当好きらしい。
見ていると、スタイルのいい女の子たちが、先生に声をかけている。
しかし、先生は見たこともない表情で、声で、
「連れがいるから、あっちいって」
と言い放った。
胸がまたぎゅっとなる。
―――やっぱり先生は、私が来るって思ってた?