腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「うん」
部屋までてくてくと歩き出すと、
隣で肩を抱いていた須藤先生が足を止め、
「そうだ。新居はこの近くのマンションを購入するつもりです」
と振り返って父に言っている。
え、そうなの。私も今知ったわ……。
っていうかそこまで調べてたの?
もう須藤先生に勝てる気なんて1mmもしない。
それくらい、私の意識はもうどこかに堕ち切っていた。
「うちに住んでもいいんだぞ」
父の声が聞こえる。
「さすがの僕でも、親御さんにいろいろ見せつけられないですし」
そう言って次は私の髪にキスを落とす。
父が絶句していたが、私はそのまま須藤先生に連れられて、自分の部屋に運ばれた。