腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「えぇ、ぜひまた。今日は遅くなってしまい、申し訳ありませんでした」
「いいのよぅ、須藤くんと一緒って、先に連絡ももらってたし」
「いつの間に連絡してたの」
私が思わず聞くと、須藤先生は、微笑んで誤魔化す。私はむぅとふくれる。
子どもじゃないんだから、普通、親に連絡とかする?
母はいつもの調子で、
「むしろ多少間違いくらい起こしていいのよ? それであげはを嫁にもらってやってくれたら万々歳だわ」
「なっ……!」
なんて心臓に悪い冗談! しかも今日に限って!
私は背中に汗が流れ続けた。
須藤先生は、そんなひどい冗談にも楽しそうに笑うと、またタクシーに乗り込み去っていった。
今のは、お母さんの冗談だからね!
そういうことしても嫁にもらわなくていいんだからね!
私は明日、それを須藤先生に伝えようと心に誓った。