腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「な、なに……?」
「んー? 土曜、ここも全部自分の思い通りにできるんだなーって思って。ふふ」
言っている意味がよくわからないのに心臓が反射的に跳ねる。
私は、ただ、言葉を失っていた。
それから、はっと意識を戻すと、ありがとうございました! と叫んで、車を降りる。
その大きな声に驚いて、家から母までも玄関先に出てきた。
母の横を超高速で走って、自分の部屋に入り、ベッドに寝転ぶ。
「私、土曜なにされんの? こわいんだけど!」
そう、これは恐怖心だ。
そうでなければ、この心臓の音がやけに速くて大きいのにも説明がつかない。
そうだ。そうなんだ!