腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「もう! ちゃんと仕事しなよ。ほら土曜のことはまた考えるとして、私なんて気にせずに仕事して!」
「してるよ、いつも以上に。さっきだってここに来る前大学寄ってきた」
須藤先生はあっさりそう言う。
そうだったの!?
そう言われて、思わず顔を上げた。須藤先生は、続ける。「ここで、何か失敗とかあれば絶対にあげはが責任感じるだろうし」
そうは言っても、きっと普段だって須藤先生は失敗とかしないだろうけど。
私がそんなことを思っているのに、須藤先生は私の髪を慈しむようになでる。
「だから、そういう、負い目? みたいなのはほんの少しでもナシにしてあげたいと思ってる。あげはって意外とそういう色んなものに気がついちゃうからさ……。だからそれまでも含めて、土曜のことが嫌な思い出にならないようにしてあげたいの」
こんな端正な顔の男性にそんなこと言われて、
きゅんとしない女がいたら会ってみたい。
何だろうこの人。
女慣れしすぎじゃない?
一体何人の女を渡り歩いてきたんだ。
ゲスドウ、こわいわ。