狼男  無限自殺 編


「小松。いい加減目が覚めてきたか?」


「ここは・・・どこですか・・?」


「お前の【夢】の中だ。」


「夢・・・・・?」


「あそこに気持ち悪りぃ見た目の奴が立ってるだろ。」


「はい・・・。」



「恐らく、アイツの正体は【獏】
人の“夢”を喰う怪物だ。」


「・・・バク・・・・?」




『あ~ぁ・・・。
アナタもひょっとしてアレなわけ?』


「阿呆。俺はただの探偵だ。」


『妈的!BMUの2人を殺す前に、腹ごしらえしておこうと思ったのに~。』


「お前の事情なんて知ったこっちゃねぇが、小松は返してもらうぞ。」


『・・・ハァァ・・好きにすれば?
なんかもうシラケちゃった。』



藪さんと動物さんの会話が続くけど・・

シンジ君はどこ・・?
どこに居るの・・?


「小松、帰るぞ。」


「待ってください!!
・・・シンジ君・・・・。」


「ド阿呆。上原シンジはお前の【想い出】の中にいつだって居るんじゃねぇのか?」


「!!?」


「会いたくなったらいつでも浸ればいい。
過去の記憶にしがみつく事の何が悪い?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「未練タラタラでも[前見て歩く]って決めたんだったら歩け。

たまに後ろ振り返ってもいいから歩け。

ユカリに心配掛けて、
その度に俺の仕事を増やすなド阿呆。」



・・・藪さんの顔が・・
ちょっとずつ滲んでいく・・・。

ちょっと強引に腕を引っ張られて・・

シンジ君と来た方向とは逆の・・

目を覆いたくなる・・・
眩しい光の方向へと進・・・・


・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・








< 102 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop