狼男 無限自殺 編
『ねぇ前列のお兄さん?
目を保護する為にそのカッコいいサングラス掛けてるの?』
「・・・・・・。」
『キャハッ!ホントに甘いよね人間って。
アンタ達の【弱点】なんてまだまだいっぱいあるでしょ?』
・・・・・!?
「なっ・・・・・!!」
【甘い匂いがする】
嗅覚が脳にそう伝えたと同時に、
視線の先・・リンの姿がぐにゃぐにゃと歪みだす・・!
「しまっ・・・!」
“バタンッ!!!”
“刀”が床に落ちる音と・・
“人”が倒れる音・・・。
後ろを振り返らなくても、
綾野が倒れたと分かった。
この匂いと、この視界・・・
全てを理解す・・・・
「・・【クロロホルム】・・!?」
『キャハッ!さっき揮発させておいたけどようやく充満してきた?
ダメじゃない?目だけじゃなくて鼻も保護しないとぉ?」
「・・・くっ・・・。」
『次からはオシャレな鼻栓もしてきてね?
・・あ、[お前達は今夜死ぬからもう“次”は無い]ってお返ししたほうがいいかしら?』