狼男 無限自殺 編
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・・・・・!!!!
“目が覚めた”と認識した瞬間、
すぐに刀を・・・あれ・・・・?
刀が無い・・・!?
「・・ってここ何処だ・・!?」
まずは自分自身も含めてパッと視界に入る情報を集める。
拳銃も無い・・サングラスも無いが、
スーツはスーツ姿のまま・・!?
左腕・・自分で射貫いた傷口が無い・・・。
と同時に・・さっきまで思わず失神しそうになるほどキツかった激痛も無くなってる。
「・・・・・・・・・・・。」
ここはどこかの部屋か・・・?
たくさんの机・・・
パソコン・・何かの資料棚・・。
まるで・・“捜査1課”の部屋だ・・。
だけどここは見覚えが無い・・。
長年居た1課でも・・
たまに応援で訪れる他の課でも・・
ここは神奈川県警ではない気がする・・。
・・・リンは何処に行った・・?
“ガチャリ”
・・・・・!?
「綾野!!!」
その時だった。
扉が開けられ、大勢の人がどこかから帰ってきたかのように部屋へと入ってくる。
そこには綾野の姿が・・・。
いわゆる“警察官の制服”ではなく、
濃い青色ブルゾンにズボン。
白のサスペンダーを腰で留めて、
“交通乗車服”に身を包み、桜の代紋が付けられているヘルメットを抱えた・・
“白バイ隊員”が部屋の中へ入ってくる。
「綾野!!大丈夫か!?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
!?俺の声が聞こえないのか・・?
というか・・綾野以外の人達も、
誰も俺に目をくれない。
姿すら見えていないのか・・?
「では、朝礼を始める。」
年配男性が声を上げて、
綾野や他の人達が直立した。
「・・・・・・・・・・。」
・・・・思い出せ・・・
リンとのやり取りを・・・!!
明らかに自分自身の記憶が混濁している。
CELジュエリーで怪人と対峙した所までは覚えている。
クロロホルムによって眠らせかけられ、
自分の腕を撃って眠気を覚まして、
その後にリンと何か会話を交わした。
だがこの数分に視覚から得られた情報を推測するに、ここは“群馬県警”だ・・。
綾野が白バイ隊員の格好をしている事が何より物語っている。
という事は・・
ここは綾野の過去の世界・・?
なんで俺はこんな所にいる・・・?
どうすればいい・・?