狼男 無限自殺 編
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!?・・まばたきをした瞬間・・
場面が変わった・・?
さっきまで群馬県警にいたのに、
いつの間にか・・バイクの後ろ・・?
「綾野か?」
「・・・・・・・・・・。」
走行中のバイク。
スロットルを握るその後ろ姿だけで分かった。
BMUが発足してからすっかり俺達の“移動手段”になっていたいつもの光景・・。
いつの間にか俺は、綾野が運転する白バイの後ろに乗っている・・。
こんな時になんだが・・
警察官同士の間でも一種の“憧れ”になっている“白バイ”にこんな形で乗れるとは・・。
「綾野。返事してくれ。君が返事するまで俺はずっと呼びかけるぞ?」
「・・・・・・・・。」
ダメ元で前へ声を掛けるが当たり前のように無反応・・。今は・・パトロール中なのか?
綾野はひたすら大通りの走行を続けている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・ひたすら走っている・・・。
休憩もろくに取らず・・
群馬中を走り回っている。
綾野の運転技術については、
椿刑事部長から聞いていたし、
実際に何度も後ろに乗ってきたから分かる。
正確なライン取りで、
全くストレスがかからない。
「・・・・・・・・・・・・。」
どうやら・・俺はこの世界では浮遊霊のような扱いらしい。
わざわざバイクにしがみつかまなくても、
自由に体を動かせて、周りを伺ってもこの体が振り落とされる事は無い。
「・・・・・・・・・・・。」
当たり前だが・・
【白バイが走っている】から・・
周りを走る乗用車やトラックはお行儀良く走行している。
綾野がいなくなった途端に、
どんな運転をするかはさておき、
たった一台の白バイのおかげで、
このバイパスの法定速度が安定して、信号の変わり目に無理して突っ込む車も無く、
安全な光景が繰り広げられる。