狼男  無限自殺 編


「「!!!?」」


「リン・・どこだ!?」


ハッキリ聞こえた奴の声・・。
姿を見せろ・・!?



「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・綾野?どうした?」


もしかして・・
綾野にもリンの声が聞こえたのか?

路肩に白バイを停めたまま、
俺と同じ方向を・・

チラホラ車が走る進行方向とは“逆”の方向を見つめる。




「「・・・・・?」」


“素人”の俺でも・・異変を感じ取った。

【・・何か来る・・】

明らかに“音”が違う・・。
爆音にも似たエンジン音・・





「「!!?」」


一瞬だった。
それほどのスピードだった。


視界の向こうから急に現れ、
やがて俺達の横を通り過ぎて、

そのまま走り去っていく。


「!!」

ベンツさんの書類をすぐに片付けて、綾野が白バイに跨がってアクセルを開ける・・!


“素人”の俺でも・・わざわざ速度メーターで計測しなくても分かる。



“プォーーーーーン!!”


「綾野!!すぐに捕まえろ!!」


“危険”な雰囲気を感じ取ったのは同時だった。

すぐにサイレンを鳴らして、
綾野がフルスロットルで追いかける。


“暴走”と表現してもいい・・。
・・・なんだあれは・・・。


法定速度50キロの道路なのに、
間違いなく100キロ以上は出ている。



俺達の横を一瞬で通り過ぎた・・
【軽トラック】・・・!!




< 122 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop