狼男  無限自殺 編


「!!!?」
「なに!!?」


「軽トラック!!止まりなさい!!」


綾野史上、一番大きい怒声だったのかもしれない。だけどそれは当然だった。


視線の先・・・
“赤信号”を突っ切りやがった!!



“プォーーーーーン!!
プォーーーーーン!!”


「緊急車両が通ります!
緊急車両が通ります!」


大事故、一歩手前だったぞ・・!?


十字路の交差点。

綾野が鳴らしたサイレンと怒声のおかげで、

ギリギリブレーキをかけていたクロス側の車両さん達。

なんとか・・ギリギリ・・
軽トラとの衝突は避けられた・・!




「!!!」


尚も止まろうとしない・・綾野の制止を聞かず止まらない軽トラ・・!


「居眠りか!?ドラッグ使用者か!?
・・・まさかテロか!?

急げ綾野!!
このままだとまた突っ込むぞ!!」


「!!!!」


俺の声は届かないが、
きっと綾野も同じ事を考えている。

フルスロットルを続け、
軽トラに突進していく・・!





俺の脳裏に・・過去起きてしまったこれまでの“惨劇”が浮かぶ。


歩行者天国に突っ込んで7人の命を奪い、

10人に重軽傷を負わせた
[秋葉原 通り魔事件]・・。



歩行者・自転車らを次々に撥ね、

8人を負傷させて・・幸せいっぱいだった母子2人を死亡させた・・

“上級国民だから警察は逮捕しない”

として今もなお批判を浴び続けている
[池袋 自動車暴走事故]・・。



< 123 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop