狼男 無限自殺 編
「!!!?」
「なに!!?」
「軽トラック!!止まりなさい!!」
綾野史上、一番大きい怒声だったのかもしれない。だけどそれは当然だった。
視線の先・・・
“赤信号”を突っ切りやがった!!
“プォーーーーーン!!
プォーーーーーン!!”
「緊急車両が通ります!
緊急車両が通ります!」
大事故、一歩手前だったぞ・・!?
十字路の交差点。
綾野が鳴らしたサイレンと怒声のおかげで、
ギリギリブレーキをかけていたクロス側の車両さん達。
なんとか・・ギリギリ・・
軽トラとの衝突は避けられた・・!
「!!!」
尚も止まろうとしない・・綾野の制止を聞かず止まらない軽トラ・・!
「居眠りか!?ドラッグ使用者か!?
・・・まさかテロか!?
急げ綾野!!
このままだとまた突っ込むぞ!!」
「!!!!」
俺の声は届かないが、
きっと綾野も同じ事を考えている。
フルスロットルを続け、
軽トラに突進していく・・!
俺の脳裏に・・過去起きてしまったこれまでの“惨劇”が浮かぶ。
歩行者天国に突っ込んで7人の命を奪い、
10人に重軽傷を負わせた
[秋葉原 通り魔事件]・・。
歩行者・自転車らを次々に撥ね、
8人を負傷させて・・幸せいっぱいだった母子2人を死亡させた・・
“上級国民だから警察は逮捕しない”
として今もなお批判を浴び続けている
[池袋 自動車暴走事故]・・。