狼男  無限自殺 編


『1件目の産婦人科では、
【受け入れ拒否】されたの♪

アハッでも病院を責めちゃダメだよ~?

ちょうどその時、別の妊婦さんの緊急手術が行われてたんだから。』


「・・・まさか・・・
綾野の前に現れたのは・・?」


『[受け入れ出来る]と言われた2件目の病院に向かう途中だったの~!

それでね・・ただでさえ街に下りてくるのに時間を要していたから、

アオイちゃんの体力も赤ちゃんの体力も無くなって・・アハッ!

アオイちゃん、あの時【心肺停止状態】になってたんだよぉ?』


「!!?」


『あ~ぁ。だからスピード違反も信号無視も許してあげれば良かったのに~。

病院に着いて、救命救急医に心臓マッサージしてもらいながら、

産婦人科医に“死戦期 帝王切開”してもらってたら2人とも助かったのにキャ~!!』



「ちょっと待て!!
そっちの都合ばかり言うな!!

事情は・・なんとなく飲み込めてきたが、

もし綾野がサイレンを鳴らして追跡していなかったら、

あの交差点で多重事故が起きていたかもしれないんだぞ・・?

綾野が軽トラの暴走を止めていなかったら、

あの横断歩道で園児が轢かれていたかもしれないんだぞ!?」



『キャハハ!

【どっちが悪くて、
どっちが正義だったのか?】

そんな事、アンタ達が勝手に考えればいいでしょぉ?』


「・・!!」


『人間って面白いね!
考え方も人によって全然違うけど、

当事者の塩顔イケメンは、
どう考えてるんだろうね?

・・まぁあの姿を見れば・・
一目瞭然だねっ。』


「・・・・・・・・・・。」


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