狼男  無限自殺 編


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 


“声”に出さずとも・・
その感情が伝わってくる・・。


「・・。」


喉を押さえ、嗚咽を発する事も出来ずに、ただ涙を流し続けるその姿を見るだけで・・。



「・・。」


・・・声を失い・・・

誰がどうみても“鬱状態”となり・・自分を責め続けるその姿を見るだけで・・・。



「・・。」


散乱していく部屋。散乱していく自我。
やがて綾野が準備した・・“輪っか”。


天井に打ち込んだ杭に引っ掛け、
だらんと伸びるロープ。



「・・。」



“ガチャリ”



「・・。」


『綾野ジュン君ですか?』


「・・。」


『初めまして。私、神奈川県警で刑事部長をやっている椿と申します。』


「・・。」


『やはり自殺しようとしていましたか。

君の事は大体把握しているつもりです。
心中お察しします。』


「・・。」


『さて、綾野君。

いきなり来て不躾なのは承知していますが、私から君にお話と提案があります。』


「・・。」


『・・・・・キャハッ!

五味フミヤと佐々木アオイと、
赤子が死んだのは君のせいです。

君が取った行動は明らかに間違った、
“悪”そのものです。』


「・・。」


『だから・・よし、そのまま吊れ。』










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