狼男 無限自殺 編
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“ガチャリ”
扉を開けた先・・当たり前だけど、
室外機がちょこちょこあるだけの“何も無い”拓けたアスファルト。
ただ、今の俺達にとっては“コロシアム”のように感じる。
『おかえり~!』
「・・“空腹”で機嫌が悪そうだな?」
「あれが・・怪人・・!」
綾野にとっては初めて見る異形。
50メートルほど先で本性を現わし、
俺達を待ち構えていたリンの姿。
「“中国”、“夢”、“喰う”、“象牙”
綾野・・推測だが奴の正体は獏だ。」
「バクですか・・・。
あの牙が厄介そうですね・・。」
「右手しか使えない俺の事を“ハンデ”と捉えるな。
俺を庇うことはしなくていいから、
奴を討ち取る事だけを考えろ。」
「はい・・・!」
『现在・・让我们开始互相杀!!』
「「!!」」
三角形の形で対峙していた格好だが、
瞬間・・リンが俺に向かって突撃してくる。
“弱ってるほうから殺る”
戦闘においては常識だから当たり前か・・。